Author Archives: gen

昭和物語

 

 

 

「昭和物語」

投稿します。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

狭いアパート   四角い炬燵(こたつ)
裸電球   破れた襖(ふすま)
たまの休みは   真冬の雨か
ああ   あんたとあたし   男と女
見栄もなければ   意地もない
似た者同士が   寄り添って
雨のしずくを   数えてる

 

 

 

お腹すいたね   食パン焼くわ
ジャムがないから   お砂糖かける
これで結構   幸せなのね
ああ   あんたとあたし   男と女
路面電車の   走る音
かすかに揺れてる   窓ガラス
夜がゆっくり   更けていく

 

 

 

トランジスタの   ラジオをつける
弱い電波に   雑音混じり
天気予報も   長雨告げる
ああ   あんたとあたし   男と女
ずっとこうして   ふたりきり
身体(からだ)をあわせりゃ   寒くない
あすの朝まで   抱きあうの

 

 

未練でしょうか

 

 

 

「未練でしょうか」

投稿します。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

お酒飲むのは   控えめに
煙草吸うのも   ほどほどに
別れ間際に   そんなこと
口に出すから   嫌われる
でもね   若くないの   お互いに
次の人とは   喧嘩せず
可愛がってね   やさしくね
ああ   お節介だと   知ってはいても
何故か気になる   未練でしょうか
捨てられてしまうのに

 

 

 

 

 

ちゃんとお風呂に   入ってね
居間でうたた寝   風邪ひくわ
まるで子どもを   諭すよう
だからあなたに   嫌われる
そうね   若くないの   お互いに
次の人には   我が儘を
あまり言わずに   仲良くね
ああ   余計ごとだと   わかっていても
やはり気になる   未練でしょうか
捨てられてしまうのに

 

 

忘れる旅なのに

 

 

 

「忘れる旅なのに」

投稿します。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

カモメ群れ飛ぶ   北の街
女ひとりの   忘れ旅
細い身体に   腕まわし
熱い抱擁   くれたのに
ああ   心がわりに   泣かされた
未練引きずる   泣きぼくろ

 

 

 

寒さこらえて   海をみる
女ひとりの   忘れ旅
抱いて欲しいと   つぶやけば
指がかじかむ   目も潤む
ああ   心がわりの   ひどい人
未練いつまで   つきまとう

 

 

 

何処へ行こうか   北の街
女ひとりの   忘れ旅
頼るあてなど   ないけれど
淋しすぎるわ   辛すぎる
ああ   心がわりが   うらめしい
未練みちづれ   夜(よ)が更ける

 

 

あんたを待つの

 

 

 

「あんたを待つの」

投稿します。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

うわべばかりは   笑っていても
胸の淋しさ   隠せはしない
顔を見るのも   飽き飽きしたと
プイと横向き   何処かへ消えた
行ったきり   行ったきり
あんた   ひとり寝は   寒くて辛くて   眠れない
戻っておくれ   ねえ   あんた

 

 

 

少しお酒を   飲んでもみたが
だけどやっぱり   苦くて不味(まず)い
せめて一緒に   飲めたらいいと
弱い心を   湿らす夜更け
あれっきり   あれっきり
あんた   ひとり寝は   枕もシーツも   冷えすぎて
ぬくもり欲しい   ねえ   あんた

 

 

涙の恋

 

 

 

「涙の恋」

投稿します。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

涙の恋です   わたしには
他にもいいひと   いたなんて
やさしい言葉も   ぬくもりも
今ではすべてが   偽りに
ああ   お酒飲んでも   酔えなくて
思いばかりが   汚れます
つらい   つらいわ   淋しいわ
こんな夜更けに   溜め息を
ひとつこぼして  首をふる

 

 

 

 

 

涙の恋です   別れます
知らない誰かの   移り香が
やさしさまがいの   いたわりも
信じていたから   泣きをみる
ああ   未練心に   ムチ打って
あなたすぐにも   忘れたい
つらい   つらいわ   苦しいわ
眠れないまま   今夜また
枕濡らして   朝を待つ

 

 

五反田・雨酒場

 

 

 

「五反田・雨酒場」

投稿します。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

こんな小さな   酒場にも
馴染みばかりの   顔がある
悩みなんかは   忘れてさ
憂さを晴らして   くださいな
ああ   雨が降ります   しとしとと
ここは   五反田・雨酒場

 

 

 

そうねそろそろ   お出ましか
ギター流しの   渋い声
古い演歌の   リクエスト
やけに今夜は   沁みてくる
ああ   雨が降ります   泣くように
ここは   五反田・雨酒場

 

 

 

日にち変われば   終電車
閉めていいでしょ   気をつけて
誰もかれもが   淋しがり
肩を寄せ合う   人ばかり
ああ   雨が降ります   五月雨(さみだれ)の
ここは   五反田・雨酒場

 

 

ろくでなし哀歌

 

 

 

「ろくでなし哀歌」

投稿します。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

誰を抱こうか   吠えようか
やけに悶々   ろくでなし
俺の生きざま   しょぼすぎて
いやになります   冬の夜

 

 

 

酒を飲むのが   癖になり
夜毎酔いどれ   ろくでなし
うしろ指だけ   指(さ)されるな
親の言葉を   思い出す

 

 

 

寒さこらえて   夜ん中
寝ぐら探しの   ろくでなし
ふっとぬくもり   欲しくなり
夜空見上げる   侘しがり

 

 

 

恋もするには   したけれど
柄じゃないのさ   ろくでなし
広い世間を   狭くする
馬鹿を絵にした   情けなさ

 

 

 

ひとり布団に   包まって
膝を抱いてる   ろくでなし
遠いふるさと   帰りたい
帰りたいけど   あてもなし

 

 

夜の新宿よくある話

 

 

 

「夜の新宿よくある話」

投稿します。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

まるで紙くず   捨てるよう
ポイと捨てられ   哀れだね
縋ることさえ   怖じ気付き
何もできずに   泣いている
あんた   誰かできたの   好きなひと
あんた   いやだいやだよ   移り気は
ボロボロ   心が痛い   ネオンが沁みる
男と女   夜の新宿よくある話

 

 

 

だからお願い   捨てないで
情けないほど   惚れていた
あんなやさしさ   くれたのに
それも今では   嘘まみれ
あんた   誰と暮らすの   妬けてくる
あんた   わたしひとりが   お邪魔虫
ブルブル   爪まで寒い   ネオンが滲む
男と女   夜の新宿よくある話

 

 

漁師男とその女

 

 

 

「漁師男とその女」

投稿します。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

何も言わずに   酒を呑む
あんたどこまで   無口だね
潮の匂いの   横顔は
髭が伸びてる   無精髭
ああ   波が暴れて   岩砕く
時化の夜には   舟だせぬ
こんな夜には   二人きり
一つ布団に   包まって
肌を重ねりゃ   蕩けるね
ヤーレンソーラン   夢心地
漁師男と   その女

 

 

 

 

 

冷やで一升   カラにする
あんた底なし   呑んべえさ
舟で鍛えた   厚い胸
指の太さの   頼もしさ
ああ   障子開ければ   海鳴りが
時化る海には   敵わない
こんな夜には   しっぽりと
腕の枕で   眠らせて
肌の火照りを   鎮めてね
ヤーレンソーラン   愛になる
漁師男と   その女

 

 

愛なんて、恋なんて

 

 

「愛なんて、恋なんて」

投稿します。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

ひとり今夜も   肩肘ついて
夜の止まり木   裏露地酒場
グラス傾け   ふと想う
あいつどうして   いるのやら
酔えば未練が   顔を出す
ああ   愛なんて、恋なんて
いらないぜ   いらないぜ

 

 

 

俺に別れを   突然告げて
知らぬ男の   もとへと飛んだ
そうさ振られて   しまったね
あいつ今頃   何処にいる
酔えばなおさら   遠くなる
ああ   愛なんて、恋なんて
柄じゃない   柄じゃない

 

 

 

雨がポツポツ   男の胸も
濡れて淋しい   裏露地酒場
傘がないから   帰れない
あいつ幸せ   掴んだか
酔えば気になる   ことばかり
ああ   愛なんて、恋なんて
あれっきり   あれっきり