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あたし捨てられたのに

 

 

 

「あたし捨てられたのに」

投稿します。

 

 

 

 

 

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あんたと暮らした   この部屋は
想い出ばかりが   多過ぎる
畳の焦げあと   煙草の火
揃いの湯飲みも   寂しげね
ああ   捨てられたのに   うらめない
未練な女ね   このあたし

 

 

 

鏡に向かえば   痩せた頬
口紅引いても   涙顔
飲めないお酒に   縋っては
今夜も残り香   探してる
ああ   捨てられたのに   お馬鹿さん
それでもあんたを   恋しがる

 

 

 

ひとり寝寒くて   眠れない
今頃あんたは   誰を抱く
自分で自分を   慰める
夜更けの虚しさ   おぼえたの
ああ   捨てられたのに   好きは好き
戻ってほしいと   呟くの

 

 

そう、夜明けまで

 

 

 

「そう、夜明けまで」

投稿します。

 

 

 

 

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紅い襦袢の   生業(なりわい)だって
今宵だけでも   愛と呼びたい
好きと叫べば   儚さが   儚さが

 

寝床しかない   狭い部屋
椿一輪   飾る壁
寡黙絵にした   人だけど
男感じて   抱かれます
あなた   あなた   あなた
一夜妻です   刹那でも
立場違いが   胸を刺す
どうぞ離さず   連れてって
この世の極楽   蜜の味
ふたり舟漕ぐ   素肌を重ね
ギッチラ   ギッチラ   闇ん中
そう、夜明けまで

 

 

 

 

 

隅の行燈(あんどん)   薄あかり
影をぼんやり   浮かばせる
髭の痛さも   うれしくて
そっとうなじを   撫でてみる
あなた   あなた   あなた
一夜限りの   逢瀬でも
ごしょう宝に   するつもり
せめて夢でも   真(しん)の愛
添えない辛さに   耐えるのか
ふたり舟漕ぐ   眠りを惜しみ
ギッチラ   ギッチラ   闇ん中
そう、夜明けまで

 

籠の鳥だと   わかっていても
今宵だけでも   恋をおぼえる
こんな身分が   恨めしい   恨めしい

 

 

夜更け屋台で

 

 

 

「夜更け屋台で」

投稿します。

 

 

 

 

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白い衿あし   おくれ髪
苦労承知で   ついてきた
そんなおまえが   いじらしい
夜更け屋台で   肩よせて
ゆるりゆるりと   酒を飲む

 

 

 

 

 

愚痴のひとつも   こぼさずに
涙 笑顔に   変えるのか
そんなおまえを   離さない
夜更け屋台で   猪口交わし
目もとほんのり   桜色

 

 

 

 

 

指輪なんかは   欲しくない
いつも一緒と   呟いた
そんなおまえに   首ったけ
夜更け屋台で   手を握り
月に惚気(のろけ)て   照れ笑い

 

 

あんた今頃

 

 

 

「あんた今頃」

投稿します。

 

 

 

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あんた今頃   何処にいる
きっと布団で   縺れ合い
甘いセリフの   パレードか
ああ   こんな男に   惚れたのが
ほんの間違い   おばかさん
せめて酒でも   飲めたなら
胸のモヤモヤ   消せるのに
夜が長くて   辛すぎる

 

 

あんた今頃   誰といる
どんな女を   抱くのやら
浮気までだわ   本気ダメ
ああ   こんな男に   首ったけ
一途模様の   おばかさん
せめて酒でも   飲めたなら
酔ってヤキモチ   潰すのに
愛があるやら   ないのやら

 

朝までスナック

 

 

 

「朝までスナック」

投稿します。

 

 

 

 

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駅の裏路地   スナックは
朝になるまで   やっている
だから今夜も   寄っていく
帰る寝ぐらは   あるけれど
誰が待ってる   わけじゃなし
闇が相手じゃ   しょうがない
キープボトルを   握ったら
グラス持ち上げ   酒をつぐ
ひとりゆるりと   酔うも良し

 

 

 

 

何処のどなたか   知らないが
ここで何度か   見かけるね
そうさお互い   連れはなし
帰りたくない   オーラ出す
きっと似たもの   同士だね
男同士で   飲み明かす
キープボトルが   カラになる
ニューのボトルを   頼もうか
ぐっと飲もうぜ    酔いどれて

 

 

海の男と酒場の女

 

 

 

「海の男と酒場の女」

投稿します。

 

 

 

 

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そんな目をして   悩みがあるか
俺でよければ   言ってみな
海の男と   酒場の女
向かい合っての  ふたり酒
ヤーレン   ヤーレン   北の町
薪(まき)のストーブ   赤く燃え

 

 

 

そうさ笑顔が   いちばん綺麗
髪のほつれ毛   首すじに
海の男と   酒場の女
照れた仕草も   色っぽい
ヤーレン   ヤーレン   北の町
演歌流れる   カウンター

 

 

 

細い体が   凍(しば)れていたら
遠慮いらない   抱いてやる
海の男と   酒場の女
一つ布団に   くるまるか
ヤーレン   ヤーレン   北の町
霙(みぞれ)まだまだ   降り止まぬ

 

 

大人同士で

 

 

 

「大人同士で」

投稿します。

 

 

 

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酔いに任せて   抱き寄せて
好きだ好きだと   戯れ言を
朝になったら   どうするか
大人同士で   いたいよね
ああ   勝手な男の   逃げセリフ

 

 

 

肌のぬくもり   消えていく
胸の疼きも   冷めていく
着替え済んだら   出て行くさ
大人同士で   済まそうね
ああ   勝手な男の   うす情け

 

 

 

酔ったはずみの   ラブホテル
ほんのひと夜(よ)の   色ごっこ
もしも何処かで   会ったって
大人同士で   笑おうね
ああ   勝手な男の   言いぐさか

 

 

あゝそれだけですか

 

 

 

「あゝそれだけですか」

投稿します。

 

 

 

 

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お酒は日本酒   料理は和食
あなたの好みで   用意をしたの

 

だけど   今夜も   無駄になるのね
違うお家(うち)で   誰といるのか

 

泣きたくなるほど   好きだから
それでも耐えて   待っている
妻であっても   ぬくもり知らず
そうね   あなたにとって   ただの女
あゝそれだけですか

 

 

 

 

色んな噂は   聞こえてきても
あなたを信じて   いるしかないわ

 

だけど   心は   濡れてボロボロ
浮気ばかりに   少し疲れる

 

泣きたくなるほど   好きだから
それでも家で   待っている
妻であっても   虚しいだけね
そうね   あなたにとって   ただの女
あゝそれだけですか

 

 

向島(むこうじま)の女です

 

 

 

「向島の女です」

投稿します。

 

 

 

 

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わずか三坪   五席だけ
ママと呼ばれて   十年目
知らず知らずに   濃くなった
夜の化粧が   切ないね
ふっと溜め息   向島

 

 

 

雨が降るから   心まで
濡れてしまうわ   ああイヤだ
景気つけてね   歌ってね
マイク握って   演歌でも
ここは下町   向島

 

 

 

少し気になる   ひとがいる
だけど無理よね   薬指
不倫するほど   野暮じゃない
肌の火照りに   笑えるわ
ちょっと酔いたい   向島

 

 

 

問わず語りの   話にも
古い傷あと   滲み出る
そうね色々   あったけど
ひとりなんとか   やっている
どうぞ飲んでね   向島

 

 

溢(あぶ)れもんワルツ

 

 

 

「溢(あぶ)れもんワルツ」

投稿します。

 

 

 

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ああ   男に抱かれりゃ   すぐ惚れて
尽くして貢いで   捨てられる
ああ   女に生まれて   きたからは
女の幸せ   掴みたい

 

頬に涙の   シミができ
鏡見るのが   怖くなる
渋谷   新宿   池袋
寝ぐら定(さだま)る   ことがない
馬鹿の見本ね   あたし
溢れもんワルツ

 

 

 

 

 

ああ   男の匂いに   弱すぎて
嗅いだら忽(たちま)ち   虜なの
ああ   女でいるから   淋しいの
女の悦び   手探りか

 

右の目の横   泣きぼくろ
いくら拭いても   消えないわ
上野   浅草   御徒町
渡る世間に   風が吹く
馬鹿を絵にした   あたし
溢れもんワルツ