そう、夜明けまで

 

 

 

「そう、夜明けまで」

投稿します。

 

 

 

 

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紅い襦袢の   生業(なりわい)だって
今宵だけでも   愛と呼びたい
好きと叫べば   儚さが   儚さが

 

寝床しかない   狭い部屋
椿一輪   飾る壁
寡黙絵にした   人だけど
男感じて   抱かれます
あなた   あなた   あなた
一夜妻です   刹那でも
立場違いが   胸を刺す
どうぞ離さず   連れてって
この世の極楽   蜜の味
ふたり舟漕ぐ   素肌を重ね
ギッチラ   ギッチラ   闇ん中
そう、夜明けまで

 

 

 

 

 

隅の行燈(あんどん)   薄あかり
影をぼんやり   浮かばせる
髭の痛さも   うれしくて
そっとうなじを   撫でてみる
あなた   あなた   あなた
一夜限りの   逢瀬でも
ごしょう宝に   するつもり
せめて夢でも   真(しん)の愛
添えない辛さに   耐えるのか
ふたり舟漕ぐ   眠りを惜しみ
ギッチラ   ギッチラ   闇ん中
そう、夜明けまで

 

籠の鳥だと   わかっていても
今宵だけでも   恋をおぼえる
こんな身分が   恨めしい   恨めしい

 

 

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